PDF の作り方

投稿論文や予稿で PDF を要求されることが増えました。 ここでは PDF の上手な作り方を解説します。

目次

参考になるかもしれない他のページ

PDF を作るためのソフト

フリーウェア派 (Windows/Mac/Linux/*BSD/...)

ソフト購入派 (Windows/Mac)

折衷派 (Windows/Mac)

PDF 作成ソフト一覧

Ghostscript (ps2pdf),dvipdfmx/dvipdfm,pdfTeX,luaTeX,xdvipdfmx (XeTeX) の他に,次のソフトがあります。

Adobe Reader と Adobe Acrobat は違うの?

Adobe Acrobat は Acrobat Distiller を含む製品(商品)です。 値段は Adobe Systems で確認してください。

その機能によって製品が幾つか存在しています。 参考:「Adobe - Adobe Acrobatファミリー: 製品比較

Adobe Reader (旧称 Acrobat Reader)は Acrobat の表示・印刷機能だけを抜き出したもの で,Adobe Reader のダウンロードサイトから 無償で入手できます。

Adobe Acrobat があれば Adobe Reader は不要です。

お金があれば Acrobat 9 Pro,InDesign CS4(6),Illustrator CS4(14),Photoshop CS4(11) などを合わせた Adobe Creative Suite 4 Design Standard を買ってしまいましょう。 学生・教員なら,その上位版である Adobe Creative Suite 4 Design Premium のアカデミックパッケージが利用できます。購入には学生証か学校関係者であることの証明書が必要です。 詳しくはアドビシステムズの サイトをチェックしてください。

アカデミックパッケージは通常パッケージと比べてフォントなどが少ないです。 詳しくはアドビのサイトでチェックしてください。

Microsoft 製品でも Adobe 製品でも,なるべく最新のアップデートを適用しておきましょう。 Microsoft Office は [スタート] → [Windows Update] から「Office のアップデート」を選びます。 Adobe 製品はアドビシステムズの ダウンロードのページをご覧ください。

Mac OS X 用の Acrobat を買われる際には Adobe Acrobat 7.0 Macintosh上での制限についてのお知らせ をご覧ください。

Acrobat Distiller の設定

PDFWriter ではなく Distiller を使います。

[スタート] → [設定] (→ [コントロールパネル]) → [プリンタ] にある「Adobe PDF」(または「Acrobat Distiller」)プリンタアイコンを右クリックし,「通常使うプリンタに設定」します。 古いバージョンの Word などでは,プリンタ設定によって文字の並び方まで変わってしまうので,ソフトを立ち上げる前にこれをやっておくのが安全です。

Windows NT/2000/XP では,「Adobe PDF」(「Acrobat Distiller」)プリンタアイコンを右クリックし,[プロパティ] → [全般] → [印刷設定] → [詳細設定] で細かい設定をします。

[TrueTypeフォント]の項目は,デフォルトでは「デバイスフォントと代替」になっています。 このままのほうが軽い PDF ファイルができます。 論文のオンライン投稿ではこのままにしておきます。 デザインものなどで,まったく同じフォントで出力してほしいなら,ここを「ソフトフォントとしてダウンロード」にします。

また,PostScript オプションの左の [+] をクリックし,[PostScript出力オプション]を「エラーが軽減するよう最適化」にするといいでしょう。 その下の TrueTypeフォントダウンロードオプションは「自動」または「Native TrueType」にしておきます(Windows 95/98/Me では[フォントの送信方法]で「Type 42」を選びます)。

[スタート] → [プログラム] → [Acrobat Distiller] で Distiller を立ち上げます。

Distiller の[ファイル] → [環境設定]で「PDFファイルの保存先を確認」をオンにします。 「Distillerで変換後にPDFを表示」もオンにしておくと確認のため便利です。

まず[ジョブオプション](Acrobat 5.0 まで)を選びます。 印刷所でイメージセッタに出力してもらうなら Press (4.0 では PressOptimized)にするのが一般的ですが,サイズが大きくなります。 論文のオンライン投稿なら Print (4.0 では PrintOptimized)で充分でしょう。 Web で見てもらうだけなら CJKScreen (4.0 では CJKScreenOptimized)です。 CJK というのは中国語・日本語・韓國語のことで,西欧語なら CJK の附かないものにします。

同じことは,Acrobat 6.0 では[Adobe PDF設定]で選びます。 Web 用なら Smallest File Size,論文提出用には低品位でよければ Standard,より高品位にするには High Quality にすればいいでしょう。 Press Quality は論文では必要ないでしょう。

[設定] → [Adobe PDF設定の編集] (5.0,4.0 では [設定] → [ジョブオプション])は次のように設定します。

以上の設定内容を「名前を付けて保存」します。 ファイル名は例えば “A4.joboptions” のようにします。

以上の設定が終われば Distiller は[×]で閉じておいてかまいませんが,二つ同時には立ち上がらないようにできていますので,立ち上げたままにしておけば起動時間が節約できます。

LaTeX + dvips(k) で作った PS ファイルを変換する際に “Warning: Ryumin-Light not found, using Font Substitution. Font cannot be embedded.” などと いう警告が出ますが,無視してかまいません。 むしろこのように出るほうがフォントが埋め込まれず軽い PDF になります。 この PDF を開くと,Ryumin-Light がなければMS 明朝または小塚明朝で表示されます。 これに対して,“XXX not found, using Courier.” というメッセージはエラーです。

Distiller を Windows のコマンドプロンプトから使うには

>START hoge.ps

と打ち込みます。 拡張子 “.ps” と関連づけられていれば Distiller が起動するか,すでに起動している Distiller が処理を始めます。 保存場所や上書き確認をせず Acrobat を立ち上げない設定にしておけば便利です。 さらに,共有フォルダを「監視フォルダ」に指定して立ち上げておけば Linux などからでも使えます。

LaTeX で color パッケージを使って dvips(k) → Distiller で作った PDF を印刷すると文字がアミカケ状態になってしまうことがあります。 「IllustratorからPDFを作ると、文字が灰色になってしまうときの対処法」 に従って [設定] → [ジョブオプション] → [カラー] を「カラーマネジメント用にすべてタグ付け」,作業用スペースの CMYK を Photoshop 5 Default CMYK にすると直りました(理屈はよくわかってないのですが)。 設定ファイルを「プリプレス-日本」にしても直るようです (qa:18199)。

Photoshop 5 Default CMYK にすると今度は色が変わってしまうというご指摘をいただきました。 設定ファイルを「プリプレス-日本」にするのがよさそうです。 ただ,文字がアミカケ状態になるのは Acrobat から非 PS プリンタに出力する際の問題のようですので,PS プリンタ(イメージセッタも)では大丈夫かもしれません。

Mac OS X に Norton AntiVirus を入れると Distiller が使えなくなるそうです (*)。

pdf(のサイズ)を拡大

下記が目標:

方法1:

Acrobat Pro(有償ソフト)を用いて対象の pdf ファイルを開き,Adobe PDF プリンタを用いて印刷し新たなpdf ファイルを生成.

Word で PDF

Word は,同じファイルを開いても,同じように書いても,バージョン,設定,テンプレート,プリンタ*1,その他の環境の違いによって,レイアウトが変わってしまうという嫌な特徴を持っています。 正しい方法で PDF にしておけば,レイアウトの崩れは防げます。

[スタート] → [設定] (→ [コントロールパネル]) → [プリンタ] で「Acrobat Distiller」プリンタが「通常使うプリンタに設定」されていることを確認します。

テンプレートが指定されている場合には,それをユーザテンプレート用のフォルダに入れておきます。 ユーザテンプレート用のフォルダは,Word を立ち上げて [ツール] → [オプション] → [規定のフォルダ] で確認できます (見にくい場合には,とりあえず[変更]を押してみるといいでしょう)。

Word を立ち上げます。 テンプレートがあるなら「新規作成」でテンプレート名を指定します。 テンプレートがないなら,[ファイル] → [ページ設定] で決められた値を設定します。 用紙は,日欧では A4,米国ではレターサイズが一般的です。

欧文論文なら,すぐにフォントを欧文フォントに切り替えます。 理系論文用の欧文フォントとしては,本文は Times New Roman,見出しは Arial が一般的です。 ちなみに Word で Century を使うとイタリック体が本来のイタリック体ではなく機械的に斜めにしたものになってしまいます。

欧文論文では全角文字は一切使ってはいけません。 記号類は Symbol フォントを使いましょう。

欧文・和文を問わず,ローマ数字は I,II,III,IV,V のように欧文アルファベットを並べて表します。

和文論文なら,本文は「リュウミンL-KL」,見出しは「中ゴシックBBB」にします。 これらのフォントが一覧に現れない場合には,「Acrobat Distiller」プリンタが「通常使うプリンタに設定」されていないことが考えられます。

和文フォントの文字飾り(ボールド,斜体,ワードアートなど)は使ってはいけません。

挿入する図についても,フォントは正しく設定しましょう。 Excel のグラフ軸の数字が「MS Pゴシック」のままになっていませんか。

完成したら,[ファイル] → [印刷] でプリンタ名が Acrobat Distiller になっていることを確認し,印刷します。 PDF ファイル名を聞いてきますので,フォルダを確認し,半角英数字でファイル名を付けます。

Acrobat (または Acrobat Reader)が立ち上がりますので, 拡大して文字がギザギザにならないことを確認します。 また,全ページをスクロールし表示した後で,[ファイル] → [文書のプロパティ] → [フォント] ですべての使用フォントを確認します。 確認項目:

紙に印刷するには,Word ではなく Adobe Acrobat (または Acrobat Reader)の印刷メニューで,プリンタ名を物理的なプリンタに変えてから印刷します。 印刷ダイアログの「用紙サイズに合わせてページを縮小」はデフォルトでオンになっているようですが,等サイズで印刷するときはオフにしておかないと微妙に縮小されることがあります。 「画像として印刷」もオフにしておかないとガタガタの印刷になります。 「2バイトフォントのダウンロード」も通常はオフにします。

Word の極細 (0.25 pt) の罫線は使わないほうが無難です。 画面では見えても,印刷すると飛んでしまうことがあります。 これは他のソフトでも同様です。

なお,PDF ではなく Word のファイルとして保存する場合には,プリンタフォントではなく Windows 標準の TrueType フォントを使わないと,開いた環境により文字がずれてしまいます。

「リュウミンL-KL」「中ゴシックBBB」にする意味ですが,こうしておけば埋め込まなくても Reader が適当なフォントに置き換えてくれるし,PDF そのものが非常に軽くなるし,論文集などで論文ごとに違う和文フォントになるということが避けられるということだったのですが,ネットの高速化で,軽い PDF への要求も以前ほどではありませんし,逆に学会で配布する PDF は海外のパソコンでそのまま開けるように和文フォントを埋め込んではどうかといった話もあるほどです(統一したフォントを埋め込まないと論文ごとにばらつきが出ては困りますが)。 そういうわけで,「いっそのことすべて埋め込んでくれ」という指示もこれからはありかな,という気もします(「MS 明朝を埋め込むこと」といった指示は Linux/Mac ユーザに酷ですが)。

なお,これは論文の話で,単独の書籍などであれば,著者の好きなフォントを埋め込んでおくほうがあとでトラブルがないでしょう。

LaTeX で PDF

(La)TeX のインストールについては Windows へのインストールLinux へのインストール などのページをご覧ください。

TeX で PDF を作る現在の標準的な方法は,dvipdfm またはその拡張版 dvipdfmx を使うものです。 具体的には dvipdfm/dvipdfmx の使い方 をご覧ください。

もう一つの方法は,dvips(k) でいったん PostScript に変換して,Distiller で PDF に変換するものです。 このほうが一般に小さな PDF ファイルができます。 詳しくは dvips(k) の使い方 をご覧ください。

3番目の方法は,dviout から Distiller (Adobe PDF) プリンタに印刷するものです。 ただし,欧文フォントや EPS グラフィックがギザギザになります。 欧文フォントがギザギザになる問題は,Computer Modern と AMS フォントに限れば, BaKoMa TrueType フォント をインストールすれば解決できます。 TX フォント など PostScript Type 1 フォントのギザギザは解消できません。 TrueType の Times New Roman,Arial,Courier New であれば,乙部さんの 「書体拡張プロジェクト」 に書かれている方法できれいに出力できます。

欧文のみの原稿ならば,pdfLaTeX でも可能です。

角藤さんの W32TeX では Computer Modern Type 1 フォントはfilet1fonts.tar.bz2 に含まれています。 古いバージョンは Acrobat 5.0 で支障が出るものがあります。 2000年6月6日以前のものをお使いの方は更新してください。

無償で配布されている Computer Modern Type 1 フォントはすべてのサイズがそろっているわけではないので,次のように type1cm パッケージを使って,存在しない Type 1 フォントは存在するものを拡大・縮小して使うようにする必要があります。

\usepackage{type1cm}

読み手に親切な PDF ファイルの作り方(LaTeX 利用)

dvipdfm/dvipdfmx の使い方

TeX 出力(DVI ファイル)を PDF に変換するフリーウェアです。 オリジナル The dvipdfm Page dvipdfm + 日本語パッチ → CJK 対応 dvipdfm → dvipdfmx と進化しています(→ The DVIPDFMx Project)。 日本語化は奥村 晴彦 著『[改訂版] LaTeX2e 美文書作成入門』 の第1刷が出た後で行われましたので,この本にはほとんど記述がありません。

『[改訂第3版] LaTeX2e 美文書作成入門』以降は dvipdfmx で PDF 化したものを印刷所に入稿して作りました。

dvipdfm 日本語版,dvipdfmx とも,W32TeX (角藤さんの pTeX 配布)に含まれています。2009年後半以降の W32TeX では、TeX Live 2009 に従って dvipdfm は dvipdfmx の別名になっています。できるだけオリジナルの dvipdfm と近いモード で動くようになっていますが、全く同じというわけではありません。 日本語版 dvipdfm がどうしても必要な場合があるかもしれないので、 dvipdfmo という名前で使用できるようになっています。

使い方は,コマンドプロンプト(MS-DOSプロンプト)などで dvipdfm foo.dvi または dvipdfmx foo.dvi と打ち込むだけです。 これで foo.dvi が foo.pdf に変換されます。 コマンドの苦手なかたは,WinShell などで dvipdfm(x) を使うように設定できます。 新しい dviout でも dvipdfmx が起動できます(ニコニコマークを押してください)。

以下では dvipdfmx について説明します。

dvipdfmx がフォントを埋め込むかどうかは設定によります。

まず欧文フォントですが,通常は PostScript Level 1 での基本14書体は埋め込みません。 これらを埋め込むには,W32TeX の場合には

dvipdfmx -f dlbase14.map ファイル名

のようにして起動してください。あるいはソースに

\special{pdf:mapfile dlbase14.map}

なる special コマンドを書いておいてもよいです。

和文フォントを埋め込むかどうかは $TEXMF/fonts/map/dvipdfmx/base/cid-x.map というファイルの設定によります。 これに

rml   H  Ryumin-Light
rmlv  V  Ryumin-Light
gbm   H  GothicBBB-Medium
gbmv  V  GothicBBB-Medium

と書いてあれば埋め込まれません。

rml   H  :0:msmincho.ttc
rmlv  V  :0:msmincho.ttc
gbm   H  :0:msgothic.ttc
gbmv  V  :0:msgothic.ttc

と書いてあれば「MS 明朝」・「MS ゴシック」が埋め込まれます。

dvipdfm(x) は PDF,PNG,JPEG,MetaPost 出力,EPS を挿入できます。EPS 挿入には 外部プログラムとして Ghostscript が必要です。ベクトル画像は PDF 形式, ラスター画像は PNG または JPEG 形式で挿入するのがいいでしょう。

EPS 以外(たとえば zu.png)を挿入するには,あらかじめコマンドプロンプトで

ebb zu.png

と打ち込んで zu.bb というバウンディングボックスファイルを作っておきます。 また,LaTeX ファイル中では

\usepackage[dvipdfm]{graphicx}
...
\includegraphics[width=8cm]{zu.png}

のようにして graphicx パッケージを読み込む際に必ず [dvipdfm] オプションを与えます。 これで LaTeX と dvipdfm(x) で処理します。

EPS の場合には,dvipdfm(x) が Ghostscript を呼び出して PDF に変換してから埋め込みますが,あらかじめ Distiller などで PDF にしておくほうが楽です。 Distiller を使う際に,バウンディングボックスを正確にするには,Distiller のジョブオプションの[詳細設定]で「EPSファイルのページサイズ変更とアートワークの中央配置」をオフにして,バウンディングボックス情報は元の EPS のものをそのまま使うといいでしょう。 たとえば元の zu.eps にある “%%BoundingBox: 100 200 300 400” といった行をそのまま zu.bb にするか,あるいは

\includegraphics[width=8cm,bb=100 200 300 400]{zu.pdf}

のようにします。

Ghostscript で PDF を作るには,以前は和文 CID フォントを埋め込むように設定しておかないと,EPS ファイル中の和文がビットマップになってしまいましたが,現在では設定をちゃんとすれば和文フォントを埋め込まずにきれいな EPS ができるようになりました。 詳しくは Ghostscript 7.07 のページをご覧ください(すみません,ほとんど Linux 用のページですが,フォントの設定は Windows でも同じです)。

dvipdfm(x) に取り込んだ大きな EPS 図の一部が欠けることがあります。 $TEXMF/dvipdfm/config/dvipdfm(x).cfg に

D "gswin32c -q -dNOPAUSE -dBATCH -sPAPERSIZE=a4 ...

と書いてあるところを見つけ,“-sPAPERSIZE=a4” を “-sPAPERSIZE=a0” に すると直ります。

しかし、このようにしても BoundingBox に負数がある場合、dvipdfm(x) で準備 してある方法ではただしく eps を pdf に変換して埋め込むことができません。 一番確実なのは、あらかじめ epstopdf で pdf に変換しておくことです。 なお、dvipdfm(x) は MetaPost が出力した eps の大部分を、Ghostscript の 助けを借りることなく、直接扱うことができます。

Distiller をコマンドラインから使いたい場合, Mac OS X では

$ open -a 'Acrobat Distiller 6.0.app' ファイル名

とします(alias を設定しておくと便利でしょう)。

dvipdfm については中丸さんdvipdfareplacecjkfonts, cjkps2pdf のページにいろいろ巧妙な方法が紹介されています。

dvipdfm で PSfrag を使うには,まず \pagestyle{empty} で図と PSfrag だけのページを作り,“dvips(k) -Ppdf -E” で いったん EPS にしてから,それをメインの LaTeX ファイルに挿入します。 ちょっと面倒ですので, overpiclabelfig を使うのがいいでしょう。

dvipdfm/dvipdfmx は PFB 形式の Type 1 フォントしか使えません。 PFA → PFB 変換には PfaEdit が使えそうです。

See HyperTeX#hyperref を上手に呼んで便利な PDF を作る

dvips(k) の使い方

dvips は TeX の出力(DVI ファイル)を PostScript (PS) ファイルに変換するツールです。 角藤さんの W32TeX では日本語版は dvipsk というコマンド名になっています。 Red Hat の日本語版は pdvips というコマンド名です。 dvips というコマンドが日本語版になっているものもあります。

dvips で変換した PS ファイルを,Acrobat の入った Windows 上でダブルクリックすれば,Acrobat Distiller が PDF に変換してくれます。 一般に dvipdfm(x) より小さな PDF ができることが多いようですが,dvipdfmx を使うほうがトラブルは少ないかもしれません。

Acrobat Distiller の代わりに Ghostscript 附属の ps2pdf コマンドも使えますが,標準の設定では日本語部分がビットマップになってしまいます。 dvips(k) + ps2pdf を使うくらいなら dvipdfm(x) のほうがいいでしょう。

dvips はできるだけ新しいものを使いましょう。 dvips を含めた Windows 用 TeX については Windows へのインストール のページをご覧ください。 Computer Modern Type 1 フォントの入った t1fonts.tar.bz2 も必ずインストールしておきます。

foo.dvi という DVI ファイルを Distiller 入力用の PostScript ファイル foo.ps に変換するには,角藤さんの W32TeX ではコマンドプロンプト(MS-DOS プロンプト)で次のように打ち込みます(teTeX の標準や,ptetex では,“-Ppdf” オプションは不要です。デフォルトで,pk フォントではなく Type 1 フォントを利用できます)。

ハイパーリンクを埋め込んであるなら dvips(k) -Ppdf -z ... のように “-z” も付けます。

古い Windows 版では “-Ppdf” が使えませんので “-D 600 -P dl” といったオプションにします。

通常のドキュメントクラスでは,[a4paper] オプションを付けても,Acrobat Distiller のデフォルト設定では用紙がレターサイズになってしまいます。 A4 にするには,Distiller のジョブオプションの設定でページサイズを変えるか,あるいは dvips に “-t a4” というオプションを付けてください(→ 詳細)。 私の新ドキュメントクラスなら \documentclass[a4paper,papersize]{js...} のように “papersize” オプションを付けると dvips が用紙サイズを認識してくれます。

図を挿入する際には \usepackage[dvips]{graphicx} のように [dvips] オプションを指定します(コマンド名が dvipsk でも [dvips] とします)。図として EPS を挿入できます。

dvips 5.90a 以前では,config.ps に “G” とだけ書かれた行があると,PostScript のフォントが化けることがあります。 “G” の行を消すか,dvips 起動時に -G0 というオプションを与えるとうまくいきます。 逆に,Computer Modern フォントを使う場合には “G” の行を残しておくか,dvips 起動時に -G オプションを与えないと,Windows の Acrobat Reader 4.0 またはそれ以前で大きな括弧類が化けることがあります(Acrobat Reader 4.05 で修正されています)。

参考リンク

図の描き方

See TeX入門/図, 描画・グラフツール

せっかく PDF にするのなら図はペイント系(ラスターグラフィックツール)ではなくドロー系(ベクトルグラフィックツール)で描きましょう。 前者は拡大するとギザギザになりますが,後者はいくら拡大しても滑らかです。

フリーウェアでは InkscapeOpenOffice.org Draw,Dia (for Windows),Tgif などがドロー系,GIMP などがペイント系です。 ラスターイメージとして出力するなら Blender も使えます。

商品では Illustrator や Visio がドロー系,Photoshop がペイント系です。

ドロー系ソフトからは EPS (Encapsulated PostScript) 形式または PDF 形式で保存しておきます。 dvipdfm(x) や pdfTeX/pdfLaTeX を使う場合には PDF のほうが便利でしょう。

gnuplot などのグラフツールも EPS 形式で出力できます。

Word や DTP ソフトに挿入するときは EPS 保存時にプレビュー用のラスター画像を付けておくと便利です。 画面や非 PostScript プリンタへの出力ではラスター画像が使われ,PostScript プリンタ(Distiller も含む)への出力にはベクトル画像が使われます。 LaTeX に挿入するときはプレビュー画像は不要です。

画面キャプチャーなどのラスター画像は,dvips などを使って PS を作るなら,EPS に変換しておくといいでしょう。 Illustrator や Acrobat などに貼り付けたり開いたりしてから EPS で保存することもできますし,ImageMagicksam2p などのツールを使う方法もあります。

PostScript Level 2 の EPS は JPEG 形式を含んでいますので, 正しいツールを使えば,サイズをあまり変えずに JPEG → EPS 変換できます。 詳しくは「変換ツール」の項目をご覧ください。

ドロー系の図には太さ 0.1 mm 以下の線を含めないでください。 高解像度のイメージセッタで出力すると見えなくなってしまいます。

写真などのラスター画像の場合,解像度は 300–600 dpi でかまいません。

dvipdfm(x) を使う場合には,ラスター画像は EPS より PNG か JPEG で保存しておくほうが楽です。

DVI/PDF 両形式を作成する場合の,画像の用意の仕方

qa:32795

いずれにせよ,画像の EPS 版と PDF 版との間の整合性には充分な注意を払う必要がある。

Windows のソフトから EPS ファイルを作るには

EPS 形式での書き出しに対応していないソフトでも,Windows の PostScript プリンタドライバをインストールして「ファイルに印刷」すれば PostScript 形式で保存できます。

PostScript プリンタドライバは Windows の「設定」→「プリンタ」→「プリンタの追加」でインストールできます。 また,アドビシステムズ から最新のドライバが無償でダウンロードできます。 インストール時にローカルプリンタ(出力先 FILE:)としてください。 適当なプリンタ記述 (PPD) ファイルがないなら,Generic PostScript Printer としてインストールします。

EPS 出力に設定するには, 「スタート」→「設定」→「プリンタ」で PostScript Printer を右クリックして「プロパティ」を選び,「全般」→「印刷設定」→「詳細設定」で「ドキュメントのオプション」→「PostScript オプション」→「PostScript 出力オプション」を「EPS (Encapsulated PostScript)」にします。

保存するときはファイル名の拡張子を “.eps” にします(例: test.eps)。

しかし,この方法では BoundingBox (図の外枠の情報)が間違って附き,余白が広くなりすぎることがよくあります。 バウンディングボックスを直すには次のどちらかの方法を使います。

以上の手順を簡単にする WMF2EPS というシェアウェアがあります。 たいへん使い勝手の良いソフトです。

また,「Windows での TeX 用仮想 EPS プリンタの作成方法」 では,Windows 同梱のドライバから仮想 EPS プリンタ作る方法が書いてあります。 「Excel グラフをきれいに TeX ⇒ PDF へ入れ込む方法」, 「画像や写真を TeX ⇒ PDF へ入れ込む方法」では, それぞれベクトル形式のグラフ,ラスター形式の画像を埋め込む手順をスクリーンショット附きで説明しています。

Windows の PS プリンタドライバではなかなか質の高い EPS ができないものです。 crop しても BoundingBox の外を侵蝕するような EPS を出力することもあるようです。 いったん Distiller で PDF に変換して Acrobat (商品)で開き,必要な部分だけ切り抜き,EPS 形式で保存し直すほうがうまくいくかもしれません。 フリーなツールでは ps2eps が使えそうです。PS プリンタドライバの出力を直接 ps2eps に通す方法がこちらに紹介されています。

プロ用のツール: AVANAS MultiStudio Officeパッケージ

自信がないときは元の Windows データを添えてプロに任せるのがいいかもしれません。

Visio は EPS 保存のメニューがあるのにほとんど役に立ちません。 Visio and EPS というページに裏技がいろいろ載っています(変なことも書いてありますが)。

OpenOffice.org の Draw には,EPS エクスポート機能があります。コピー&ペーストで Draw に貼り付け,Ctrl-A で全選択して,ファイル→エクスポートでファイル書式を EPS にすると,EPS 形式で出力できます。Ctrl-A で全選択しておかないと, BoundingBox がページ全体になってしまうので,お忘れなく。

Mac OS X のソフトから画像を挿入するには

Mac OS X では,どんなソフトからでも「印刷」メニューで PDF が作れます。 これをうまく使えば EPS を経由せずに高品位の画像が挿入できます。

必ず1ページだけを PDF として印刷してください。

これ(zu.pdf とします)を次のようにして挿入します。

%%% -*- mode: yatex; Coding: iso-2022-jp; Encoding: ISO-2022-JP -*-
\documentclass{jsarticle}
\usepackage[dvipdfm]{graphicx}
\begin{document}
...
\includegraphics[bb=100 400 500 700,clip,width=5cm]{zu.pdf}
...
\end{document}

ここで (100, 400) が挿入したい長方形部分の左下隅の座標,(500, 700) が右上隅の座標です。 もちろん数値は適当に変えてください。 単位はポイント (= 1/72 inch) で,紙の左下隅が原点 (0, 0) です。

これで platex で処理し,dvipdfmx で PDF にして,「プレビュー」または Adobe Reader で印刷します(あるいは TeXShop を使えば「タイプセット」ボタンをクリックするだけで PDF ができます)。

Acrobat (Reader) のヒント

印刷ダイアログの「用紙サイズに合わせてページを縮小」は,特に必要なければオフにします。 これがオンの場合,ほんの少し小さく印刷されることがあります。

「画像として印刷」はオフにします。 どうしても印刷がうまくいかない場合にオンにしますが,ガタガタの印刷になってしまいます。

「2バイトフォントのダウンロード」も通常はオフにします。

文字がきれいに表示されない場合には,うんと拡大してみてください。 ギザギザに見えてくるなら,間違ってビットマップフォントが埋め込まれてしまったのです。 設定を見直してください。 拡大するときれいに見えるなら,Acrobat (Reader) の設定の問題でしょう。 スムージング(アンチエイリアシング),グリーキング(小さい文字を潰して表示すること)の設定を変えてみてください。

Illustrator のヒント

Illustrator 9/10 から EPS 形式で保存するときは,互換性は最新のもの(「バージョン 9」「バージョン 10」)でかまいません。 CMYK ポストスクリプト(レベル 2)にします。 プレビューやサムネールは TeX では不要ですが,他のアプリケーションに埋め込む際にはプレビューがあったほうが便利です。 Word などに埋め込む際には,プレビューのラジオボタンは必ず「不透明」にします。

「フォントデータを含む」チェックボックスはオンにしないと文字化けします。 あるいは,逆にこれをオフにして,フォント名をエディタなどで標準的なものに置き換えるという手もあります。 たとえば Illustrator に附いている小塚明朝 Std M を使った場合,KozMinStd-Medium-90ms-RKSJ-H を Ryumin-Light-RKSJ-H に置き換えます。

PDF をパスワードで保護するには

Acrobat を使えばできますが,フリーウェアとして iTextencrypt_pdf といったものもあるそうです(使ったことはありません)。

LaTeX ユーザーの方は,dvipdfmx を用いて,PDF にパスワード保護をつけることができます。具体的には,

dvipdfmx -S filename

のように,“-S” オプションをつけます。あとは所有者のパスワードとユーザーパスワード(PDF ファイルを開いたときに入力させるパスワード)の2つを問われますので,入力して Enter キーを押してください。なお,確認のために2度入力を求められます。

RedMon による PDF 作成

以下は月岡さんから教えていただいた方法です。 Windows 上で,フリーウェアだけで Distiller と同様に簡単に PDF が作れます。 Ghostscript, Ghostview and GSview のページからリンクされている RedMon というツールと Ghostscript を組み合わせて使います。

あらかじめ Ghostscript (7.07 など)をインストールしておきます。 日本語 CID フォントを埋め込むように設定しておくといいでしょう。

RedMon を展開して setup.exe を実行します。

次に,コントロールパネルの「プリンタの追加」(「プリンタのインストール」)を実行します。 「ローカルプリンタ」「自動的に検出しない」でいいでしょう。 プリンタポートは「新しいポートの作成」で「Redirected Port」を選びます。 ポート名は “RPT1:” のままでかまいません(複数作ると “RPT2:” 等々になります)。 プリンタソフトウェアは,カラーのPSプリンタなら何でもかまいません。 “Apple” “Apple Color LaserWriter 12/600J” でも “Canon” “Canon LBP-2260PS” でも大丈夫でした。 テスト印刷はしません。

コントロールパネルに新しいプリンタアイコンができますので, 適当な名前に変えます(例えば “Ghostscript PDF writer”)。 さらに,右クリックして「プロパティ」の「ポート」タブを選び,上で指定したポート名 (“RPT1:” など)が選ばれている状態で[ポートの構成]を押し,たとえば次のように設定します:

Redirect this port to the program:
C:\gs\gs7.07\bin\gswin32c.exe
Arguments for this program are:
-Ic:\gs\gs7.07\lib;c:\gs\fonts -sDEVICE=pdfwrite -r300 -dNOPAUSE -dSAFER -sPAPERSIZE=a4 -sOutputFile="%1" -c .setpdfwrite -f -
Output:
Prompt for filename
Run:
Minimized

Word などのアプリケーションからこのプリンタに印刷すると,保存するファイル名を聞かれますので,適当な名前(何々.pdf)を入力すれば,PDF ファイルが出来上がります。

同じ Ghostscript 7.06 でも WinAPI 化キットを入れている 場合には “-Ic:\gs\gs7.06\lib;c:\gs\fonts” を “-Ic:\gs\gs7.06\lib;c:\gs\gs7.06\kanji;c:\gs\fonts” と しなければいけないとのことです。

同趣向の pdf995 というアドウェア/シェアウェアがあります。 日本語も通るとのことです(Thanks: 池田さん)。 中身は Ghostscript のようです (qa:27345, qa:27434)

その他のリンク

LaTeXタイプセットの主な流儀の要約

cf. http://www.nn.iij4u.or.jp/~tutimura/tex/dvipdfm.html

(1) 元祖流?

(1)-1: platex: tex -> dvi
(1)-2: dvips(k): dvi -> ps
(1)-3: ps2pdf or 「Adobe Distiller」: ps -> pdf
※ 挿入図はEPS形式のみ, pstricks使用可能, powerdot や prosper も可能
※ arXiv等ではこれを要求されるようです

(2)

(2)-1: platex: tex -> dvi        # 上記と同じ
(2)-2: dvipdfm(x): dvi -> pdf

(3)

pdflatex: tex -> pdf
※ platex未対応

*1 プリンタ依存性は Word 2000 でほぼ解消されたようです。

Last-modified: 2009-12-31 (木) 21:21:05 (40d)