ここでいうデータベースは関係データベース(relational database,RDB)と呼ばれるものです。 関係データベースを操作するには SQL という言語を使います。 SQL はもともと Structured Query Language(構造化問合せ言語)の略でしたが,今では単に SQL(エスキューエル)が正式名になっています。
ちなみにこの query(問合せ)という語は,ソフトによっては「クエリー」のように日本式発音でカナ書きしているものもあります。
関係データベースを管理するソフト(RDBMS)にはいろいろなものがありますが,ここでは MySQL というオープンソースのデータベースソフトを使ってみましょう。 MySQL は PHP から簡単に使うことができます。
次のページから MySQL が使えます。
たとえば hoge という名前のテーブル(表)を作ってみましょう。
create table hoge(hinmei varchar(255), nedan int);
画面上では次のように見えます。
mysql> create table hoge(hinmei varchar(255), nedan int); Query OK, 0 rows affected (0.02 sec)
varchar(n) は n 文字までの文字列です(n ≦ 255)。 int は4バイトの整数(integer)の意味です。 varchar(n) の代わりに text という型もよく使われます。 text は65535バイトまで自由に伸びます。
うまく表ができたかどうか調べてみましょう。
mysql> describe hoge; +--------+--------------+------+-----+---------+-------+ | Field | Type | Null | Key | Default | Extra | +--------+--------------+------+-----+---------+-------+ | hinmei | varchar(255) | YES | | NULL | | | nedan | int(11) | YES | | NULL | | +--------+--------------+------+-----+---------+-------+ 2 rows in set (0.00 sec)
int は32ビットですので-2147483648〜2147483647の範囲で,自動的に表示幅が11桁に設定されます。
この表に値(values)を挿入(insert)してみましょう。
insert into hoge values('りんご', 500);
insert into hoge values('みかん', 300);
挿入した列をすべて表示してみましょう。
「すべての列」は米印 * で表します。
select * from hoge;
すると次のように表示されるはずです。
mysql> select * from hoge; +--------+-------+ | hinmei | nedan | +--------+-------+ | りんご | 500 | | みかん | 300 | +--------+-------+ 2 rows in set (0.00 sec)
hinmei の列だけ表示するには次のようにします。
select hinmei from hoge;
今度は値段が 400 円以上の品名だけ表示してみましょう。
select hinmei from hoge where nedan >= 400;
合計(sum)を求めてみましょう。
select sum(nedan) from hoge;
値段の順に並べてみましょう。
select * from hoge order by nedan;
無指定では値段の小さい順(昇順,ascending order)に並びます。大きい順(降順,descending order) に並べるには desc を付けます。
select * from hoge order by nedan desc;
データの更新には update を使います。
update hoge set nedan=200 where hinmei='みかん';
行の削除は delete です。
delete from hoge where hinmei='みかん';
表を削除するには drop table 表の名前; とします。
上の例で使った商品データベースでは,りんごがいろいろあったら品名だけで行が決まりません。 名前だけで行が決まるような詳しい名前を付けるか,あるいは商品コードを付けましょう。
学生名簿でも,同じ名前の学生が二人いたら,名前だけで行が決まりません。 学籍番号を付けましょう。
商品コードや学籍番号のように,これが決まれば行が特定できるものを,主キーといいます。
さきほどの商品テーブルに主キーとして商品コードを付けるなら,例えば次のようにします。
create table hoge(id int not null auto_increment,
hinmei varchar(255),
nedan int,
primary key(id));
これは,idという欄は整数(int)で,空ではなく(not null),もし空の値(null)を代入しようとたら自動で1,2,3,……という数を代入することを表します。 このようなauto_incrementな欄は主キー(primary key)と定義しなければなりません。
学生名簿に「所属クラブ」という列があると,複数のクラブに所属している学生はどう扱えばいいでしょうか。
| 学籍番号 | 氏名 | 所属クラブ | |
|---|---|---|---|
| 1788 | 三重太郎 | 野球部 | |
| 1789 | 山田花子 | 茶道部 | 漫研 |
こんな芸当はできません。^^;
| 学籍番号 | 氏名 | 所属クラブ1 | 所属クラブ2 |
|---|---|---|---|
| 1788 | 三重太郎 | 野球部 | - |
| 1789 | 山田花子 | 茶道部 | 漫研 |
これだと三つのクラブに所属する人が現れたら困ります。 それに,このようにしてしまうと,あとの処理が難しくなります。
そのようなときは,複数の行に分けましょう。
| 学籍番号 | 氏名 | 所属クラブ |
|---|---|---|
| 1788 | 三重太郎 | 野球部 |
| 1789 | 山田花子 | 茶道部 |
| 1789 | 山田花子 | 漫研 |
これを第1正規化といいます。
上の表では,主キーは「学籍番号」と「所属クラブ」の二つになります。 二つの主キーの値を指定すれば行が定まるので,これはまったく問題ありません。 問題は,氏名が「学籍番号」だけで決まってしまい,もう一つの主キー「所属クラブ」によらないということです。 このように,ある列の値が主キーの一部だけによって決まる場合は,表を次のように二つに分けましょう。
学生一覧表(主キーは学籍番号)
| 学籍番号 | 氏名 |
|---|---|
| 1788 | 三重太郎 |
| 1789 | 山田花子 |
クラブ所属表(主キーは学籍番号と所属クラブ)
| 学籍番号 | 所属クラブ |
|---|---|
| 1788 | 野球部 |
| 1789 | 茶道部 |
| 1789 | 漫研 |
実際にはクラブに属していない学生も多いので,クラブ所属表は学生一覧表ほど大きくなりません。
このように,主キーの一部だけに依存するような項目をなくすことを,第2正規化といいます。
学生一覧表は実際にはもっといろいろな項目を含みます。 たとえばコースについての情報が次のように入っているとしましょう。
| 学籍番号 | 氏名 | コース名 | コース主任 |
|---|---|---|---|
| 1788 | 三重太郎 | 社会情報 | ○○教授 |
| 1789 | 山田花子 | 情報処理 | □□教授 |
「コース名」が決まれば「コース主任」は決まってしまいますね。 そこでまた表を分割しましょう。
学生一覧表(主キーは学籍番号)
| 学籍番号 | 氏名 | コース名 |
|---|---|---|
| 1788 | 三重太郎 | 社会情報 |
| 1789 | 山田花子 | 情報処理 |
コース一覧表(主キーはコース名)
| コース名 | コース主任 |
|---|---|
| 社会情報 | ○○教授 |
| 情報処理 | □□教授 |
コース一覧表は,コースの数だけでいいので,たいへん小さくなります。
このように,別の項目に依存するような項目をなくすことを,第3正規化といいます。
表はできるだけ正規化するのが正しいデータベース設計です。
上のように正規化した場合,いくつかの小さな表ができます。 これらを結合して,正規化する前の大きな表に戻す方法が必要になります。
学生一覧表とクラブ所属表から,両方のクラブに所属する学生について,氏名なども含めた大きい表を作るには,次のようにします。
select * from 学生一覧表 natural join クラブ所属表;
また,学生一覧表とクラブ所属表から,学生一覧表に含まれるすべての学生について,氏名なども含めた大きい表を作るには,次のようにします。
select * from 学生一覧表 natural left join クラブ所属表;
ほかにもいろいろな結合が考えられますが,これだけ知っていれば大丈夫でしょう。
Last modified: 2007-05-27 20:21:21