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江戸時代に日本人によって展開された日本固有の数学、「和算」につ いて知っている学生がどれほどいるでしょうか。ほとんどいないように思います。少なくとも私自身は、実際この論文を制作するにあたるまで「和算」という数学の歴 史が存在していたことを知る機会はありませんでした。 江戸時代までに日本でおこなわれていた数学を「和算」と呼んだのに対して、幕末から明治のはじめころにかけて欧米から伝わってきた数学は「洋算」と呼ばれ ています。現在、日本の小学校、中学校、高等学校で取り扱われている算数や数学は、この「洋算」がほとんどで、「和算」はあまり取り入れられていません。「和 算」は、昔の文字であるためわかりにくく、注目されていないのが現状です。 「和算」の難しい問題を解いたときは神社仏閣に絵馬として奉納する習慣が行われていました。この奉納された数学の絵馬が「算額」といわれるもので、日本人が 誇れる数学の歴史です。今欧米では、学校教材としてこの「算額」が注目されているのだそうです。その理由として、図形の問題が多いこと、それに色がついて いて視覚的に楽しめる教材であるので、題材として面白いということが挙げられます。逆に日本では、算額に書かれている文字は昔の文字であるため興味を引きに くく、古臭いと感じてしまっているところがあります。日本文化のすばらしさを欧米諸国が注目しているのはうれしいことでもあるのですが、日本人がそのすばらしさを忘 れかけているという現状を、一人の日本人としてとても残念なことであると思いました。 そこで私は、「和算」「算額」を題材にしてこの論文を制作しようと思いました。見る人に興味を持ってもらいおもしろいと感じてもらうこと、そのことで「和算」 「算額」を知るきっかけになってもらえるようなものをつくることを目標としました。 ではどのようにしたら見る人に興味を持ってもらい、おもしろいと感じさせるものができるのでしょうか。幸い、「算額」は、図形の問題が多いこと、それに色 がついていて視覚的に楽しめる教材であるので、興味を持ちやすいという利点があります。その利点を生かす媒体として、紙ではなくコンピュータを使うことにし ました。コンピュータの画面上であれば、図形を描く、動かす、色をつけることができるので、「和算」「算額」のおもしろさを表現するのに適し、見る人におもし ろいと感じてもらうことができると考えました。そこで図形を描く、動かす、色をつけることができるプログラム言語としてJavaを使うことにしました。Javaを 利用する利点として、Java対応のブラウザがあればどのOSでも動くということ、Webブラウザで、Javaで作られたappletプログラムを実行で きるのでインターネット上で見られるということが挙げられます。 Javaを使って問題をいくつか紹介し、昔の文字でわかりにくく古臭いと感じるのであれば、現在で使っている言葉に書きなおし、見る人がおもしろいと感じ ることが出来るように表現することを心がけました。文章を読まなければわからないものほどつまらないものはないので、出来るだけ画面上の図形の動く様子を見て 解法がわかるように、視覚的に楽しく学べるプログラムを目標に制作しました。扱う問題は中学生にでも解ける問題がほとんどで、実際に自分で図形を動かして解い ていく問題もあり、普段学校で習う算数・数学とは一味違う解き方をしており、興味深く学べるようになっています。 これによって、見る人が「和算」「算額」はおもしろく、興味深いものであると思ってもらえればと思います。 |
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