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># 数式の表記が周囲の言語に引きずられることの是非は
># ここでは問わないことにします.
というのは,私が常々疑問(あるいは不満)に思っていることが
つい口に出ただけで,その問題について,
このような場でもっともらしく述べるに値するほどの
知識を持ち合わせているわけではありません.
ただ,実際問題としては,数式部分とその周囲の表記は
周囲の言語に引きずられています.
例えば,ディスプレイ数式の周りの句読点に関して
Therefore, we have the following formula:
\[ a_{n+1} = a_n^2 + c. \]
が
したがって,次式が成り立つ.
\[ a_{n+1} = a_n^2 + c \]
となるという具合に「文を終わらせる位置」が異なってくる,
といったこともあります.
今回考えた(無限小数の)省略の 3 点についても,
周囲が英語の場合では \ldots で構わないものの,
周囲が仏語なら単純にピリオドを 3 個並べたものにすべきか?
と考え込むことになります(実際にそうして構わないようですが).
# 以下は,あくまでも私見です.
一方,数式というものは「自然言語では表しにくいものを
簡潔・正確に表す」道具でもあり,意思疎通の道具としての
機能をもったものでもあります.
その数式の表記が周囲の言語に引きずられるようでは,
常用する言語が異なる人の間での(数学的概念に関する)
意思疎通に障害が生じかねません.
# そのため,私は「数式の記述が周囲の言語によってぶれる」
# ことに疑問を呈しています.
もちろん,「省略の 3 点がベースライン上にあるか,
天地中央にあるか」なんてことは,ことさらに
意思疎通の妨げになるようなことではなく,
「趣味の問題」で済ませて構わない程度のことです.
その一方で,二項係数について「nCk」の形しか知らなかった人間が,
洋書で「\binom{n}{k}」の形の表記を見て意味を
つかみかねるなんてことは,実際にあります.
# これにしても,現場でのちょっとした指導で
# フォローできることではありますが.
もっとも,現実問題としては,
「言語間(あるいは各国での流儀間)の違い」よりも
「分野間での違い」のほうが目立つため
(単純なところでは「dx」などの「d」の書体に関する
対立(?)が有名ですね),上記のようなことを気にしても
仕方がないところはあります.
# 逆に「分野間の違いだけでも厄介なので,言語間で
# 余計な相違をもちこまないでくれ」と言えなくもありません.
冒頭の発言の背後にある「私の腹の中にあること」は
上記のようなところです.
取りとめのない話で申し訳ありません. |