リンクに許可は不要です

結論

リンクは内容の複製ではなく,すでに公開されているページのアドレスを参照しているだけですので,著作権侵害にはなりません(→無断でリンクを張ることは著作権侵害となるでしょうか(社団法人著作権情報センター))。 また,リンクを自由に張り合って知をネットワーク化するのがもともとのWebの理念ですので,「リンクは許可を得てください」という主張は異様です。 Webの発明者Tim Berners-Leeも There is no reason to have to ask before making a link to another site と書いています(Links and Law: Myths)。

どこのページからリンクされているかを知りたいだけなら,Google の「検索オプション」の「次のURLにリンクしているページ」で調べたほうが確実です(あるいは HTTP_REFERER で個々のアクセスがどこのリンクをたどって来たか調べることができます)。 また,閲覧を制限したいなら,パスワードや,IPアドレス,HTTP_REFERER などでアクセス制御することができます。

ちなみに,「リンクフリー」という語を(「リンクがない」という意味以外で)使うことも本来は気持ちが悪いのですが,「HP」を(HP ではなく)ホームページやWebの意味で使うことと同様,日本では普通になってしまったようです。

新着情報

[2009-06-07] 電子商取引及び情報財取引等に関する準則 (PDF,経済産業省,2008年8月)に 「他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題点」(pp.251-258) として経産省見解が詳しく書かれている。 この項目が現れたのは2006年版(当時は「電子商取引等に関する準則」)からのようである。 基本的には通常のリンクはディープリンクも問題ないとしながら,「リンクの法的な意義については、必ずしも明確な理論が確立しているわけではなく、無断リンクを巡って、様々な紛争が生じている現状を考慮すると、「無断リンク厳禁」と明示されているウェブページにリンクを張る場合には、十分な注意が必要である」としている。

[2007-04-26] 新たなディープリンク違法論 (小倉弁護士)。

[2006-10-20] リンクの話 まとめ (高木浩光@自宅の日記)

[2006-09-21] 「リンクお断りは普通」と人の心に種を蒔くAC (高木浩光@自宅の日記)。

[2006-09-17] 公共広告機構ACがハンドルネームで運営のサイトからのリンクを固くお断り (/.J)。

[2006-06-17] 北國銀行が無断リンクは「不正競争防止法違反になります」と警告 (/.J)。

[2006-06-16] 電通、「ハンドルネーム等により運営されているサイト」からのリンクを固くお断り (/.J)。

[2006-06-11] Winnyの可視化と無断リンク禁止厨の共通関係に見る問題の本質 (高木浩光@自宅の日記)

[2006-03-23] 「リンクした場合は電話で連絡せよ」と最高裁が要求、しかし理由がない(/.J)。

[2005-10-30] 北九州市と仙台市が小中学校に無断リンク禁止の明示を義務付け(/.J)。

[2004-10-30] Wikiで情報発信している 新潟中越地震 被災者救援本部@2ch の利用上の注意:「情報元(ソース)の記入とリンクを絶対に行ってください」 「リンク禁止の情報に関しては、状況に応じて各自判断の上リンクしても構わないものとします」。 いいぞ。 デマを防ぐために,容易に一次情報が参照できるようにすることは必須。

[2004-10-17] 佐々木俊尚の「ITジャーナル」:新聞社はダブルスタンダードがお好き?。 Googleニュース日本版に読売が載らない理由を業界関係者の話として載せている。

[2004-10-01] 坂口謙一ほか編著『実践情報科教育法――「ものづくり」から学ぶ』(東京電機大学出版局、2004): 「学習の参考資料としてウェブサイトのURLの一覧表を配布することは合法だが、ショートカットまで含めて複写・配布すると、ショートカット自体に著作権がある場合が多いため、著作権法に牴触することになる。」 ショートカットがアンカーテキストの意味なら, 見出しは著作物にはあたらない〜東京地裁、読売新聞の訴えを棄却。 読売は控訴したのであろうか。 読売が勝っていたらGoogleやYahoo!などの検索エンジンは日本から撤退?

[2004-08-18〜19] トップシェアの実教出版の高校教科書『新版情報A』p.152および『新版情報C』p.151, 「リンクを設定するときに,注意する点は何ですか。」 「リンクを設定する相手に許可を求めるのがマナーです。サイトによっては,途中のページにリンクを設定することを禁じて,トップページにのみリンクを設定することを許可する場合があります。法的な根拠はありませんが,事前に協議することでおたがいに気持ちよく利用することを心がけましょう。」 をいをい,Googleがいちいち許可を求めてきたらたまったものじゃない。

シェア第2位の日本文教出版『情報A』の来年度用では, 「ほかのWebページにリンクをはるときは,それが他人のWebページであることがはっきりわかるようにする。」(p.58) これを読んで アドレスバーへの無理解が広げる「無断リンク禁止教」(高木浩光@茨城県つくば市 の日記)に

リンクポリシーなるものを書くとしたら、次のように一行だけ書けばよい。

必ずリンク先のURLがアドレスバーに現れるようにリンクしてください。

とあるのを思い出した(このように書くのが必要だということではなく,どうしても書きたいならこれで十分ということだ。これだけでフレーム内リンクや画像だけのリンクをしてほしくないことが伝わる)。 この意味で「他人のWebページであることがはっきりわかるように」はまさに百点満点の書き方である。

シェアNo. 3の第一学習社『高等学校改訂版情報A』(p.144),同『情報C』(p.146)はさらにひどい: 「リンクをつくることは,著作権上は問題ないと考えられています。ただし,マナー上はリンク先の管理者に,リンクをつくることを連絡しておくべきであると考えられています。許諾なくリンクをつくることに対しては,民法(第709条)の不法行為にあたり損害賠償を請求できる場合がある,とする考えもあります。」 Googleはついに民法に触れることになったか。

民法第709条:「故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス」

↑については修正されたようです。だきわさんありがとうございます。

[2004-07-24] 文科省の 校内ネットワーク活用ガイドブック におもしろい(呆れた)記述を見つけた:

ホームページのリンクについてはホームページの性格が万人に公開を前提としているものであり、ホームページのリンクには著作権がないものと考える、とするのが一般的である。しかし、リンク集などには作成者がいるわけで、作成したリンク集に著作権があるとする主張もある。従って、リンクを張る際には、該当ホームページの作成者に許諾を得ることを原則とすることが望ましい。許諾の際には「リンクに際し回答がない場合は許諾されたものと見なします」といったことをよく電子メールで行うが、この場合もきちんと作成者から回答があったもののみにリンクを張るといった習慣を徹底しておく必要がある。いざトラブルとなった際には、書面できちんと許諾がなされていたかどうかが焦点となるからである。

(↑の件は高木さんの日記 垣間見える文部科学省関係者の著作権意識程度 でも取り上げていただいた。何がおもしろいかおわかりでしょうか)

[2004-05-21] 村上敬亮,オープンソースを巡る著作権論議と知的財産政策への示唆 特技懇 232号(2004年): 「では、もし、リンクを張る際、各ホームページ作成者による事前承認が必要、というルールがあったとしたら、インターネットはここまで発展してきただろうか。確たる調査結果はないが、おそらく答えはNOであろう。」

[2004-04-27] アドレスバーへの無理解が広げる「無断リンク禁止教」(高木浩光@茨城県つくば市 の日記)。 言い得て妙。

[2004-03-24] [2004-03-26] ニュース記事の見出し引用はリンクか、著作権侵害か?(INTERNET Watch)。 リンクが違法でなくてもリンクに使う見出しが著作権侵害だ――とする読売の主張を東京地裁は退け,「見出しは原告がネットで無償公開した情報で、第三者が利用するのは自由」との見解を示した。 読売側は控訴する。 関連記事: 毎日読売。 こんなのは単に↓のように HTTP_REFERER で切ったらどうだろうか。 [2004-05-07追記] H16. 3.24 東京地裁 平成14(ワ)28035 著作権 民事訴訟事件

[2004-03-22] オンライン誌 Linux Today が某サイトにリンク(もちろんグローバル・ルールに則って無断で)したところ,その某サイトは Linux Today 誌のリンクをたどったアクセスをブロックしたということです。 是非はともかく,あるところから来る人にどうしても嫌がらせしたいなら,技術的には HTTP_REFERER をチェックすることで簡単にブロックできます(もちろんそのリンクをたどらずに見ることで対抗できますが)。 日本で「無断リンクを外せ」と言っている人は,喧嘩を楽しみたいのでなければ,こういう技術的な方法も検討されるといいでしょう。 Editor's Note: Blocked Sites and Fair Use (Linux Today), Online Publisher Blocks LinuxToday Referrals (Slashdot.org).

[2004-03-21] 茨城県十王町議 根本陽一 氏と 全国議員サイト全集 の運営者との間で「無断リンク」をめぐってトラブル。 [2004-03-26追記] 根本議員が折れて一件落着した模様。

[2004-02-25] 外部からのアクセス不可の意味で「外部リンク不可」と書いてあるページがあるという情報をいただきました。 一般にはリンクとアクセスが混同されているのでしょうか。

[2004-02-24] 岡村久道氏の意見,法律上は問題ないとしながらも「ネチケット上、できるだけメールででもリンクの承諾を受けることが望ましいことは言うまでもありません」とある。 まさにそういうもともとなかったネチケットを,昔からあったように宣伝する人がいることを,ここでは問題としている。 なお,本来のネチケットについては,少々古いが RFC1855 参照。

[2004-02-24] NPRTerms of Use への反発: NPR Retreats, Link Stink Lingers (Wired News)

[2004-02-22] 高木先生の今日の日記 にいくつか重要なことが書かれている。 リンクに関する部分 真の情報モラルを自分の頭で考えない輩がリンクの許諾制を伝染させる に限らず,ぜひ全文お読みください>自称情報モラル通の方々。

[2004-01-27] 企業ホームページ研究所 に網羅的な調査結果がある。 「当方へのリンクはご自由にどうぞ」というのは証券番号1999までの上場企業では 名工建設 だけだそうである。

[2003-11-28] とりあえず日本語版については少し改善されたようです(関連:愛知万博サイトが「リンクは原則的に自由」に(/.J)。 英語版は現時点ではもとのままです。

[2003-11-03] 愛知万博リンクについて: 事前承諾必要,原則トップページのみというお馴染のパターンに加えて,「個人サイトからのリンクについては、基本的にお断りしています」(英語版 About Links では Please note that we cannot accept links to personal web sites. という変な英語に訳されています)。 「商用目的のホームページ」も駄目だそうです。 さらに「必ず新しいプラウザが開いて、当協会ホームページが表示される形でリンクを設定してください」。 関連:愛知万博が個人サイトからのリンクを「固くお断り」(/.J)。

[2003-07-30] リンクを貼ろうとする者は事前に許可を受けよ感染症情報センター。 リンク許可申請書をダウンロードして読んでみましたが,あまりにもアホらしいのでリンクを張ることにしました。 どんなお咎めがあるか楽しみです。 [2003-08-07追記] このアホな規定はなくなったようです。 当サイトもお咎めを受けませんでした。

[2003-03-14] 産経新聞法務部:記事への直リンク禁止はあくまで要望 (slashdot.jp,二つ下の後日談)。 ここからリンクされている 新聞記事の見出しの引用と無断リンクの禁止について に引用されている1997年参院文教委での政府側答弁:「リンク先のホームページ作成者の許諾というのは不要だというふうに私どもは考えておるところでございます」。

[2003-03-14] このページが Yahoo! JAPAN の 新着情報 の「今日のオススメ」に掲載された。

[2003-03-13] 産経新聞社が「無断リンク」に警告 (slashdot.jp)

[2003-03-04] YOMIURI ON-LINE の「著作権 リンク 個人情報保護について」(http://www.yomiuri.co.jp/copyright/index.htm): 「リンクを希望される方は、ウェブページ名とその内容、リンクの目的、お名前、連絡先を、読売新聞社(webmaster@yomiuri.co.jp)へ連絡してください。……個別記事へのリンクは原則としてお断りしております。特段の理由がある場合は、その理由を付して読売新聞社の許可を得てください。」(Thanks: よしださん)

[2003-01-09] リンク不許可サイトのことが Slashdot でまた取り上げられている(You Can't Link Here)。 Stupid linking policies を皮肉る Don't Link to Us! というサイトをロースクールの教授が作っている。

[2002-10-31] ある日本の大きなサイトでリンク許諾云々と書かれているのを見つけたので,いくつか質問をしたところ,2回にわたってたいへん誠意ある回答をいただいた。 以下は要約である。

リンク許諾を求めることに法的根拠があるのか?
法的根拠はないが,フレーム内リンク,有料サイトでの利用等に対して注意を喚起するために求めている。
私のサイトからもいくつかリンクさせていただいているが問題があるか?
通常のリンクであればかまわない。
そちらのサイトからのリンクはすべて許諾を得ているのか?
公の団体や官公庁のサイトで特にリンクについて記載がない場合は許諾を得ていない。 ニュースサイト等にはネガティブオプション(不許可の場合はいつまでに連絡をしてください)の許諾申請メールを送ることが多い。

[2002-09-11] Deep Linking is Good Linking (Jakob Nielsen) というページを見つけました。 [2003-02-06追記] 和訳 直リンクのすすめ がありました (Thanks: アキトさん)

[2002-08-26] 日弁連サイト使用条件 のページにリンクを制限する記述があったことを6月11日にこのページに書きましたが,6月13日付で改められていました。 後藤 斉さんの 日弁連のリンク「許可条件」に関するコメント に事情が詳しく書かれています(大信田さんのご教示に感謝します)。

[2002-08-02] リンクは自由も報告を求める日本の府省 (スラッシュドット ジャパン)

[2002-07-18] 独でも“ディープリンク”裁判が活発に〜検索エンジン会社に不利な判決。 さらにたいへん。

[2002-07-09] ニュース検索エンジンのNewsboosterにリンク禁止の仮命令。 えらいこっちゃ。

[2002-03-25] Google,Scientologyの批判サイトを復活させる

[2002-03-22] Google bows to Scientology's DMCA request, yanks critics' site 米国では1998年10月に DMCA(Digital Millennium Copyright Act)という変な法律が成立したが,これに基づいて Scientology 教会が批判者のサイトへのリンク(サーチ結果)を Google から抹消するように圧力をかけ,実際 Google はそのようにした。--- ``Of course this opens up a huge can of worms regarding whether or not mere links are infringing.'' 批判者ばかりか批判者へのリンク(サーチ結果)まで「著作権侵害」だとすれば言論の自由は著しく制約を受けることになる。

DMCA については デジタルミレニアム著作権法―悪党どもの武器 参照。 平成11年版 通信白書 では「デジタル2000年著作権法」と訳している。

リンクに関するリンク

上記以外です。

見つけたもの(古)

「貴紙 http://www.sankei.co.jp/pr/copy/001006tyosaku_01.html にリンクさせてください」と郵送で申請してみようかと思ったが,「個別記事へのリンクはお断りします」とも書かれていたので,無駄だと思ってやめた。 なお, New York TimesWall Street JournalUSA TodayTerms of Service), ABC NewsCNN.comLos Angeles Times などを調べたが,海外のメディアでリンクの許諾を云々しているところは見つからなかった。

「リンクフリー」考

「リンク許可不要」という意味で「リンクフリー」という言葉が日本で使われているが,英語で link-free といえば「リンクのない」という意味である。 ハイフンのない「Link free!」(自由に(無料で)リンクしよう!)のような標語を作ることは英語としては可能であるが,実際に Google などで "link free" を検索すると,英語圏ではこの前後にいくつかの単語が付いて「無料でリンクしてあげます」といった意味で使われている例しか見当たらない。 「リンクはご自由に」という意味なら ``Please feel free to link to us.'' ``Feel free to link to this page.'' ``Feel free to link your site to ours.'' ``Feel free to link your Web page to Hoge.com.'' などと書けばいいだろう。

Glossary of Japanese English の link-free の説明を念のため和訳しておく:

「link-free リンクはご自由に("Feel free to link")」。 たくさんの日本のウェブサイトは「リンクフリー」と称するが,その意味はまったく逆である。 彼らは実はそのサイトをリンクして欲しがっているので, リンクするなと言っているわけでも,リンクのないページを作っているわけでもない! :)

同様に,GIF-free とは GIF 画像を使っていないという意味である。 GIF の画像圧縮特許に反対して GIF-free なサイトがたくさんできた。

本当にリンクしてほしくなければ

「直接リンク」とは?

Google で「直接リンク」「direct linking」を検索すると,次の意味で使われていることがわかった: 他のサーバにある画像などを,自分のサーバにコピーせず,他サイトのアドレスのまま,自分のページに埋め込むこと。 たとえば <img src="http://他サイト/hoge.jpg"> がそうである。 これは,リンクというよりは include することであり,著作権侵害になりうるだけでなく,他サイトのバンド幅を食うことにもなり,まずい行為だ。

一方,他サイトのホームページ(トップページ)以外にリンクする deep linking(→ Deep Linking is Good Linking, Jakob Nielsen's Alertbox, March 3, 2002)は「直リンク」と訳されているようだ(→ 直リンクのすすめ)。




Last-modified: 2009-06-07 (日) 17:43:20 (2581d)